「永遠の契約」  創世記9:8-17 2015126日 北松戸福音教会 都鍾倍

  教会近くの駅の広場にある大きい木が、クリスマスの飾りできれいになっています。昼間はあまり目立たないのですが、夜になると華やかな彩りを見せています。線路沿いの商店街には空から光が降っているかのように見える飾りもあります。もはや、このような飾りがクリスマスを表す印のようなものになっているのです。多くの人はこのような飾りを見ながらクリスマスの雰囲気を満喫していると思います。このような世の中ですが、私たちは真のクリスマスのメッセージが何であるかを御言葉から聞きたいと願っています。共に耳を傾けましょう。

「保証書」

 今日の聖書箇所はノアの話です。大洪水の後に箱舟から出て来たノアとノアの家族に契約が立てられる内容であります。

つい何日か前に、小学校6年生の息子のランドセルが壊れました。あと3か月ほどで卒業なのにランドセルが壊れるなんてと思いながら対策を考えました。そして、真っ先に探したのが保証書です。ランドセルには6年間の保証期間がついていますので、それがあれば無償で修理をやってもらえます。しかし、これが見つからないのです。仕方なくまずは販売元へ電話をしました。幸いにも、通常の使用の中で壊れたものであるならば保証書がなくても無償修理が可能と言ってくれました。すぐ、修理依頼をいたしました。私の場合保証書は見つからなかったですが、通常保証書はこのような場合を含め私達に大きい安心感を与えるものです。これは、販売する側と買う側との契約に基づいたものだからです。特に、買う側としては、販売後商品の不具合などの対応をしっかりとしてもらえるとの約束があると、使用中の不安はなくなるわけです。

 人である限り、ノアであったとしても生きることに対する不安はあったと思います。しかも、ノアのように大きい災難を経験した人はなおさらのことではないでしょうか。2011年大地震と津波によって大きい被害を受けた被災地の方々は今も心のケアが必要であることをよく耳にします。ノアもそのような経験者です。その上に、ノアとノアの家族が生きなければならない環境というものは、水害によって変わり果てた土地なのです。他の人はいない、彼らだけで生きなければならないのです。不安を覚えるのは当然なことでしょう。ですので、神様が自らそのような不安を払拭してくださるのです。それが契約です。

 その契約の内容はこうであります。

「わたしはあなたがたと契約を立てる。すべて肉なるものは、もはや大洪水の水では断ち切られない。もはや大洪水が地を滅ぼすようなことはない。」(創世記9:11)

「わたしは、わたしとあなたがたとの間、およびすべて肉なる生き物との間の、わたしの契約を思いだすから、大水は、すべての肉なるものを滅ぼす大洪水には決してならない。」(創世記9:15)

 これはノアとノアの家族を安心させる内容です。二度と同じような方法で地上の生き物を滅ぼすことはしない。神様はノアが経験したような大洪水は二度と起こらないと約束してくださいました。 

「神様の契約」

 さて、契約と言いますと同等な立場の二人以上の人の間で成立するものです。そして、一方の意思によって契約を無効にすることができます。契約を破棄することができます。これは他方にとっては不安の要因になります。しかし、今神様がノアに語られる契約は違います。こう記されています。

「さあ、わたしはわたしの契約を立てよう。あなたと、そしてあなたがたの後の子孫と。」

神様はこの契約を神様ご自分の契約だとおっしゃっています。神様とノアの契約だとは言っていません。

この世の中で、神様と同等な立場で契約を結ぶことのできる者はいません。ですので、神様は神様ご自身と契約を結ばれ、それをノアと彼の家族に語られました。

 神様の契約ですので、神様が破棄しない限り契約が無効になることはありません。

神様の気持ちが変わったらどうしますか、という思いもあるかも知れません。しかし、聖書が教えてくれる創造主なる神様は永遠に変わることのないお方です。全能・全知のお方ですので、自ら立てられた契約を修正する必要がありません。そして、必ずその契約は守られるのです。 

「虹の約束」

 神様はそのしるしとして次のことをなさいます。

「あたしとあなたがた、およびあなたがたといっしょにいるすべての生き物との間に、わたしは代々永遠にわたって結ぶ契約のしるしは、これである。わたしは雲の中に、わたしの虹を立てる。それはわたしと地との間の契約のしるしとなる。わたしが地上の上に雲を起こすとき、虹が雲の中に現れる。」(創世記9:12-14)

 先月、ある研修会に向かう途中、雨が降っていましたが、富士山の近くできれいな虹を見ることができました。ノアの時代の神様の契約、約束のしるしであった虹を今も見ることができるのです。

神様の約束どおりこの世は大洪水によって滅びることなく、私たちは神様によって守られているのです。

 そして、神様はこのように語られます。

「虹が雲の中にあるとき、わたしはそれを見て、神と、すべての生き物、地上のすべて肉なるものとの間の永遠の契約を思いだす」(創世記9:16

 神様は、「思いだす」とおっしゃいます。この言葉には神様の意思が表れています。決して、ノアたちのことを忘れることがないこと、そして、その後の子孫に対してもこの約束が有効であることが分かります。

この神様の意思によって世は守られ、人はその中で、繁栄してきました。文明の発達が進み、今のようになっているのです。 

「変わっていないもの」

 人間の生活は、昔と比べて大きく変化し便利になりました。しかし、全く変わらないものもあります。

それは、人の心であります。ノア時代の人々に対して、神様は人の思いが常に悪に傾いているとおっしゃいました。そして、大洪水の後の人に対しても、人は思い計ることが幼い時から悪いとおっしゃいました。その心は現代でも変わっていません。今でも絶えず起きる事件や戦争、犯罪などがそのことを証明しています。そして、私たちの心の中にも悪い思いがひそんでいます。

 もう一つ変わらないのは、人は時間と共に身体が衰え、ついに死を迎えるということです。誰もが死にます。人間である以上、死から逃れる方法はありません。人の身体は完全ではないからです。

 人の心の中にある悪、身体の衰えとそれにともなう病気、そして、死。誰もが不安の中で生活しています。

人はノアを通して与えられた神様ご自身の契約によってここまで繁栄を成し遂げましたが、依然と自分の力では解決できない不安を抱えています。

 神様は、このような人々のことを深く哀れみ、人が自分で解決できない不安を解決してくださいました。それがイエス・キリストです。クリスマスはイエス・キリストがお生まれになったことを記念する日です。神様が私達をどれほど愛し、私たちのことを心配しておられるかを教えてくれるのがクリスマスです。聖書はこう記しています。

「神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに、世を愛された。それは御子を信じる者が、ひとりとして滅びることなく、永遠のいのちを 持つためである。」(ヨハネ3:16)

ノアの時代、神様は人が滅びに対する不安の中で生きることがないよう虹の契約を与えられました。同じく今の私達にも、滅びへの恐れではなく平安と喜びの中で生きられるようにイエス・キリストを与えられました。クリスマスはこのように神様の愛であり、私たちが神様に守られて安心して生きることができるというしるしであります。イエス・キリストを信じる者が受ける恵みは永遠のいのちなのです。 

「クリスマスの慰め」

毎年12月になると私達夫婦は複雑な心境になります。

201112月に母が召されました。母の死は、とても大きい衝撃でした。とても悲しくてつらかったです。葬儀の時でした。ある知人の牧師がこう言いました。「あまり悲しまないでください。お母様は御国へ行かれましたので、ここより良い場所にいらっしゃいます」と。

 まさにその通りです。そして、私たちは御国で再び母と会うことができる。死は悲しいことですが、悲しみだけで終わらないこと。これこそがクリスチャンに与えられている素晴らしい恵みであることが、その時深く教えられました。

 私たちは明日がどうなるか全く分かりません。分からないから不安もあります。

 朝、子供たちを学校へ送り出しながら、夕方無事に帰って来られるかと不安になる時があります。しかし、イエス・キリストを信じていれば再び御国で会える。これは今を生きる私達において、大きい慰め、励ましと希望となります。不安の中で生きるのではなく安心して希望をもって生きることができる。このような素晴らしい恵みがあることを教えてくれるのがクリスマスです。

 クリスマスは本当に楽しい時です。この世のすべての人々がクリスマス楽しんでほしいと願います。

そして、心から祈り求めるのはすべての人々がクリスマスの主人公であるイエス・キリストを、神様の愛のしるしであるイエス・キリストを信じ、本当の喜びと平和に満たされることです。

 私たちの生活にはいろいろな不安がありますが、神様は私達が安心して生きられるようにしるしを与えて下さいました。永遠に変わることのない神様の約束を信じて、今年残り僅かな時間を喜びと希望の中で過ごせるようにお祈りいたします。